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インターネット字書きマンの落書き帳

   
【苛立つシンドーさんとやめないあらいくん(BL)】
新堂さんと荒井くんが付き合っている世界の話をしています。
(挨拶を兼ねた幻覚の説明)

知的好奇心が自制できず、自ら率先して怪異や深淵を覗きに行ったせいで死ぬ程の目にあってしまう荒井くんと、そんな荒井くんの無茶に苛立つ新堂さんの話が読めます。
(平和な世界でイチャイチャさせようという気概を一切感じない作品説明)

いや、俺もイチャイチャデートみたいな内容を描きたいと思うんですよ。
でも気付いたら新堂さんは殴りたがるし荒井は死にたがるしでどうあってもダメなんで、この路線で行きます。

でもですね、聞いてくださいよ。
新堂さんは重くて束縛する男で荒井くんは重くて束縛されたい男だから、二人の質量は実質ハピネスだから栄養素が高いと思うんですよ。

つまり読んだら幸せになれると思うので是非ご照覧あれってことです、はい。
意外性のあるルート展開のはなしをしています。(?)

加筆修正などをして己を鼓舞しながらpixivにもupしておきました
 → pixiv版はこちらからどうぞ


webにもおいておいたよ!
 → web版はこっちから読めるよ




『人魚の虚実』

 荒井昭二が目を覚ました部屋は、カーテンと微かなアルコールの匂いに包まれていた。
 見渡す限りの場所は清潔感あふれる白い色で統一されリノリウムの床は淡い蛍光灯の色を反射させおり、身体を起こして確認などせずともそこが病室であるのは明白だった。廊下には慌ただしく移動する看護師の足音や見舞いに来たとおぼしき家族の声が賑やかに響いている。

 ここは日常だ。
 意識を失う前にいた絶望と闇とが混ぜこぜになった深淵の狭間ではない。つまり、また生き残るコトができたのだ。あるいは死に損なってしまったと言うべきだろうか。

 その音を確かめ生を実感するにしたがい荒井の身体には鈍い痛みが襲ってきた。見れば手足には真新しい包帯が巻かれ滲んだ血は赤褐色に変色している。 思いのほかひどい怪我なのか動かそうとしても上手く指先が動かなかった。
 だがそれも無理はない。 意識を失う前、荒井の覗いた世界はおおよそ生とは無縁のおぞましい光景だったのだ。むしろ今こうして生きているだけでも奇跡のようなものだろう。

「……何だ荒井、起きてたのかよ」

 暫くそうして痛みを感じながら自分が生きていることを確かめていた荒井の様子に気付いたのだろう、傍らに座っていた男がこちらの様子をのぞき込む。
 新堂誠だ。
 髪を金色に染めいくつものピアスをしている新堂の容姿は普段荒井が付き合っている友人たちとは一線を画していただろう。

 実際荒井はこれまで新堂のようなタイプの人間とはあまり話した事などなかった。
 校則を破ってまで髪を染めピアスをし周囲を威嚇するような外見で自ら他人との接触を拒むような輩と歩み寄り話しをしても実のある会話など出来ないだろうと思っていたからだ。
 実際そのようなリスクを犯す事で新堂は比較的に自由な校風の鳴神学園でもしょっちゅう生徒指導教師に捕まって説教をされているというし、中学時代は暴力沙汰が明るみになる良い所の私立中学を退学させられているともいう。 自分から学ぶ機会をドブに捨てるなど愚の骨頂とも言えるだろう。

 そう思っていた荒井の価値観を僅かながらに変えたのは「集会」があってからだった。
 それまで取るに足らない人間の典型だと思っていた新堂は決して頭が悪い訳ではなかったのだ。むしろ狡猾に相手を陥れ、その方法として足の着かない幽霊や怪異といった普通の人間なら鼻で笑うような存在を利用しているコトに気付くのは鳴神にも数多い怪異たちをおおよそ把握していながら今なお生きながらえている事実からも明らかだったろう。
 恐ろしい話や怪談、怪異というものを良く研究し使えると思ったら迷わず利用するといった悪知恵は恐怖のなかにある知的好奇心ばかり追求していた荒井にとっては新鮮であった。

 同時に彼のように全ての怪異をありえるものだと認識し、現実の明るさと怪異の住む闇との境界線を歩いている人間ならば自分を任せてもいいのではないかと、そう思ったのだ。
 知識を求めるまま深淵をのぞき込み、身体も魂も引きずり込まれるその前に自分を捕まえ引っ張り出して黄昏の逢魔が時に引き戻してくれる人間がいるのなら新堂のようなタイプの男だろうと。

 これは怪異というものを一切信じない現実主義者には出来ない所業だ。
 怪異を信じていないのだから暗闇の向こう側に行ってしまう人間なんて存在しないと思っているのだから。

 かといって怪異を信仰しているような人間にもまた出来ないことだ。
 ひとたび怪異に囚われ深淵を直視したのならばそれはもう人間ではない何かへと変貌したようなものであり、人間を捨てた存在は不自由な人間の器を捨てこちら側に来るよう甘言を用いて誘うばかりとなって決して元の世界へなど戻そうとはしないのだ。

 だから自分を現実に戻す鍵として、人間としての日常と狂気の坩堝にある深淵を両方とも知っている人間が傍にいたほうがいい。

 自分の知的好奇心を満たすため。そして知識を得たまま元の世界に戻る命綱の代わりとして新堂を選んだのは妥当な判断だったろう。

 実際に新堂は引き込まれるほどの闇に落ちそうな時、必ずといっていい程手を差し伸べてくれた。明らかに怪異の潜む領域へと足を踏みいれた時、新堂が危険を承知で闇へと踏み入り連れ戻しに来てくれたことは一度や二度ではないはずだ。
 おかげで荒井の知的好奇心は大いに潤い満たされていた。
 時に連れ戻されるのが早すぎて真理にほど遠い鱗片しかつかめない事もあったが今まではその影すら追う事が出来なかったのだから上出来だろう。

「えぇ……まぁ。いたんですね、新堂さん」

 荒井は靄のかかったような思考を持て余しながら自分の両手をゆるゆると動かした。足の感覚はまだ無いが指先は動く。 少なくとも五体全てを失ったという訳ではなさそうだ。
 そんな彼の姿を見て、新堂は頭を掻き大きなため息をついた。

「いたんですね、じゃ無ぇんだよ……お前が俺を呼んだんだろうが。ど深夜に電話があったと思ったら場所しか言わねぇし得体の知れない音は聞こえてくるし、マジで焦ったぜ……」

 電話をした記憶はないが無意識でコールを押していたのだろう。居場所だけでおおよそ自分の場所を突き止めてくれたのは新堂もまたこの道について知る人物だからだ。
 怪異に近い存在は怪異がいる、あるいはある場所をよく知っている。場所だけ伝えてもその中で最も危険でいびつな空間を瞬時に選び出す事が出来たから今回も間に合ったのだ。
 新堂はバイクの運転も達者だから多少遠いところでも電車やバスのない時間帯でもすぐに駆けつけてくれるといったフットワークの軽さもあるのを考えても実に優秀な命綱だと言えるだろう。
 彼をつなぎ止めるために唇を重ね手でも指でもできる限りの奉仕をしただけの役割は果たしてくれている。

「……身体は大丈夫か?」
「えぇ……生きてはいますし、腕は動きます。足の感覚はまだ戻ってませんけど……」
「そりゃぁ、あんな事になってればな……」

 新堂はそう言うと深く椅子に腰掛ける。
 自分が何をして何を見てどうなったのか、その記憶はひどく曖昧だった。ただ恐ろしいものに迫られその爪痕は深く身体に食い込みほとんど自由にならない身体で必死に手を伸ばしたのだけはぼんやりと覚えている。 見たものに対しての記憶が急激に抜け落ちていくのは怪異の特性かあるいは脳が見たという事実を拒んで記憶を封じてしまったのだろう。

「あんな事と言いましたが、新堂さんは見たんですか? アレを。覚えているんですか、あいつの姿を」

 好奇心で身を乗り出そうとするが激しい痛みに阻まれ起きるのをやめた。荒井はほとんど覚えておらずただ恐ろしさとおぞましさが心の奥底に焼き付いているだけだが新堂はその影を微かにでも見たのかもしれない。 だが新堂は苦い顔をすると荒井から視線をそらすだけだった。

「見てねぇよ。直感的にヤベェと思ったからな……お前は覚えてねぇのか?」
「えぇ。見た、というような実感はあるのですが記憶から抜け落ちて……よっぽどだったんでしょうね」
「あぁ、あいつはそうとうヤバい。鳴神にもおかしいヤツはわんさかいるが街にもまだまだいるもんだな……よくあんなヤツを見つけてきたもんだと感心しちまうぜ」
「それは、どうも」
「褒めてねぇよ……ったく」

 新堂はそう言いながら自分の手を握ったり開いたりしはじめる。滅多に見ない新堂の手遊びは嫌な感覚がよみがえってきたその感触を忘れようとするような仕草に見えた。 その視線に気付いたのか、新堂はまたため息をつくと自分の手をこちらに向けた。

「テメェがまったく覚えてねぇみてぇだから一つ、教えておいてやる。俺が着いた時にお前はもうぶっ倒れてた。身体はお前のままだったが、足は針金みたいに捻れててな。その上に無数の目玉みたいなもんがくっついてたから、とにかく安全そうな場所までテメェを引きずってその目玉みてぇなモンを片っ端から引っこ抜いてやったんだ。ちょうどネジで留めたみたいに目玉がポンポン抜けてな、妙な弾力のある目玉の手触りといい生暖かさといい最悪だったぜ……」

 それは想像するだけでおぞましいのだから実際目の当たりにした新堂は発狂しそうな程の恐怖をあじわったコトだろう。
 そうなると今、足の感覚がないのは無数にはえていたというがネジのようなという限り肉をえぐって刺さっていたせいか、足全体が捻れてしまったせいに違いない。

「それはそれは……貴重な体験が出来て羨ましい限りです」

 喉を鳴らすようにして笑う荒井を前に、新堂はついに我慢の限界に達した様子で迫ってくる。

「お前なぁ! わかってんのか、死にかけてた。いや、死ぬより非道ェ目にあう所だったんだぞ? それなのに……」

 あまりに声が大きかったからか、他のベッドで横になる老人たちの濁った目がいっせいにこちらをむく。 新堂はばつの悪そうな表情を浮かべ仕切りがわりのカーテンを閉めた。

「……お前が好奇心を抑えられない性格だってのはよーく分かってる。誰かに縛られ、禁止されても決してその歩みを止めようとしない向こう見ずな性格だってのもな。だが最近のお前は……少しばかり無茶がすぎる」

 新堂がそう言うのも無理はないだろう。節操なく興味のある場所へ向かい好奇心の赴くままに進んでいるという自覚がはっきりと存在したからだ。 それでこの世にある真理を。あるいは摂理や真理からはみ出た存在を感じる事ができたのなら自分の人生が終わってしまってもきっと幸運だった。そんな感情が荒井を生き急がせているのだ。

「時田もそう言ってたぞ。少なくとも以前のお前は危険だと思ったら引く判断をしていた。深入りしないほうが良いと思った時はあえて分からないままにしておき触れないでおく位の節度はあったと……だが最近のお前はまるで死にたがりの大馬鹿野郎だ。鼻歌まじりで崖に飛び込んでいくような愚かモンじゃ無ぇよな、テメェはよ」

 新堂は無茶ばかりするようになった荒井しか知らないから元々こうだと思っていたかもしれないが、以前からの友人である時田から見ても最近の荒井はおかしいのだろう。 自覚はしていたが第三者から見ても妙に思えるのならきっとそうなのだ。

「崖の上で鼻歌を口ずさみ歩む愚者とは……タロットカードの愚者のシンボルですか、新堂さん。思ったより洒落た言い回しをしますよね」
「話を逸らすな、俺はヤベェと思う事に首を突っ込みすぎるな、って言ってんだ」
「知ってますか、愚者の逆位置は無謀という意味ですが正位置であれば希望という意味になります。どちらにしても可能性を示す本質は失われていません……行動を起こし何かを得る可能性があるのなら、僕はどのような愚者にでもなりますよ」
「それで足を失ってもか!?」

 新堂は立ち上がると荒井の足をやや乱暴に掴んだ。だが何の感覚もない。痛いとすら思わなければ掴まれている熱もないのだ。

「……言っただろう。針金みたいにねじ曲がったってよ……治らないかもしれねぇんだぞ。もう歩けないかもしれねぇ……それでもお前は自分の好奇心と興味ってのが大事なのか?」

 なるほど、さっきから動かす事が出来ないだけではなく痛みすら感じないと思ったが半ば千切れかけていたのなら当然だ。
 この病室を見る限りここは鳴神学園付属の病院であり地域でいっとうに腕のよい医者が集まっている上呪いや霊障、怪異といった特殊な事例にも対応しているのだがそんなプロが集まる病院でも「治らない」と思わせるということはよほど大きな災厄と鉢合わせてしまったのだろう。
 それだけの災厄が町並みを外れた場所をうろうろしているのだと思うとこの街も大概だが。

「そうですか……では今度からは腕でも移動できる訓練をしますよ。足が動かなくなっても自力で動けないようでは好きな場所で好きなだけ思案することもままならないでしょう」

 それでもどこか他人事のように語る言葉にいよいよ耐えきれなくなったのだろう。堂は立ち上がると荒井の首元へつかんでいた。

「そういう事を言ってんじゃ無ぇ! ……もう無茶はやめてくれ。どうしてそんな事をして自分から死にたがろうとすんだテメェは。俺たちはただでも鳴神っていうヤベェ学校に通って三年無事に卒業できるかわかんねぇんだぞ……おい……俺をこんな風にして、俺を置いて行くのは絶対に許さねぇからな」

 勢いで首を掴まれ身体を揺さぶられるせいで激しい痛みが全身を包む。 まったく、けが人にするような態度ではないと思うしもし今の様子を医者に見つかったらすぐに止められるだろうが荒井は狂う程に突き抜けるこの痛みが今は心地よかった。

 どううしてそんな事をするのかと新堂は言うが、どうして本音が言えるだろう。

 あなたがいるから。
 あなたが傍にいてくれて、自分のことを受け入れそして愛してくれたからだ。

 最初は死にきれなかった時のため新堂を利用する気持ちでいた。
 自分は本心から誰かを愛する事なんてないだろうと思ったし心の奥底にある死への願望ほど胸を焦がすものなど世界のどこにもないだろうと思っていたからだ。
 だが今は新堂とともに生きる時間が心地よく、唇を交わす時も肌を濡らす時も空虚だと思っていた心が幸福に満たされていくのがわかる。

 自分は幸せなのだ。彼と出会って彼が愛してくれた時からずっと。
 だが同時にその幸せは永遠ではないのもわかっていた。

 もしも荒井の身体が新堂と同じように普通に歳を重ね老いていくような身体であれば彼の隣で歩んでいく喜びをかみしめて歳を重ねる事も出来ただろう。
 だが荒井はもう年を取ることができないのだ。
 10年以上前の15歳の時、人魚の肉を口にしてからいかなる方法をもってしても死にきる事ができずにいるのだから。

 あなたがいずれ老いて死んでしまうから、その前に死んでしまいたい。
 あなたのいない世界でなお生き続ける意味なんて見いだす事は出来ないのだから。

 そんな思いを抱いていたとして、どうしてそれが普通の人間に理解出来るだろう。

 だから以前にも増して怪異を追い求めるようになったのだ。
 どこかに自分でも死にきれる、もっと強固な呪いがあるだろうと信じて。

 結果は、見ての通りだが。

「大丈夫ですよ……この怪我もきっと治ります。治してみせますよ、あなたがそんな顔をするのを見るのは嫌ですからね」

 荒井は自分の動かない足を撫でてどこか諦めたように言う。そうだ、この足が捻れようが腐ろうがきっと治るに決まっている。自分の身体に染みついた人魚の呪いは元々あった人魚の快復力にはほど遠いだろうがそれでも簡単に死なせてくれるような生やさしいものではないのだから。

「そう思うなら自重ってのを覚えろ。いい加減、助けに行く俺が先に死にそうだ」
「それは困りますね……もし死にそうな程危険な時は僕を見捨てていいですよ」
「以前の俺だったらそうしてたろうが、今の俺はどうだろうな」

 身体を掴んでいた手は荒井の頬を撫でていた。

「……死ぬのが分かっていても、お前を捨ててはいけねぇ」

 それは優しく、だがあまりにもかなしい声だったから荒井は一瞬なにも考えられなくなる。
 自分は彼が愛しくて、彼において逝かれるくらいなら先に死にたいと思っているのに彼は自分のためならば死地と分かっていても飛び込んでくれるというのか。
 本当だったら一緒に過ごして一緒に成長し年を取った姿で並んで歩く事も出来たかもしれないだろうか。 いや、もしそうだったとしたら自分が高校生だったのは10年もまえだ。今こうして同じ学校に通う事はなく10年も歳が違えば出会う事もなかっただろう。
 呪われていたから出会うコトが出来て、呪われていたから出会ってしまった事を恨まなければいけないとは出来の悪い冗談だ。

「それは……困りますね。僕は新堂さんに生きていてほしい」
「俺だってテメェには生きててもらわなくちゃ困るんだ……な、荒井。だからもう無茶をするな……」

 そう言われても、どうしたらいいのだろう。
 自分の身体は老いるコトも死ぬこともなく、新堂は容赦なく年老いて自分を置いていってしまう。そしていずれ老いた彼を若いままの姿で看取らなければいけないくなるのだ。
 かといって一緒に死ぬことを願ってもきっと自分は生き残る。
 せめて自分が人並みに死ぬコトが出来たのなら。 あるいは新堂も自分と同じ呪いをその身に受けてくれたのならどれだけ良かっただろう。

「……わかりました。約束しますから、キスしてください」
「はぁ!? 何言ってんだテメー……打ち所悪かったか?」
「えぇ、恐怖で頭がおかしくなったのかもしれませんね。僕からこんなコトをねだるなんて珍しいでしょう? ……それで、してくれるんですか? くれないんですか?」

 新堂は一瞬困ったような顔をするが、すぐに唇を重ねてくれた。

 考えれば考えるほど、自分の運命は呪われている。
 どう足掻いても抜け出せぬ泥沼にあり、その心はいつか必ず大きな虚が開く宿命なのだ。

 だが今感じる吐息と温もりは空虚な未来をいっとき忘れさせてくれる。
 いずれ必ず別れが来るのはわかっている。だがそれでも今、お互いに唇を重ね思いを重ねる喜びは荒井の内にある希死念慮も破滅願望も忘れさせるほど歓喜に満ちあふれていた。

 これは戯れだ。
 いずれどちらか欠け失われるのがわかっている一時の熱にすぎない泡沫の感情だ。
 それらを全て飲み込んで、今はこの児戯にも似たキスに酔いしれる。

 あまりにも過酷な現実は淡くも脆い恋心に酔うことでしか忘れることが出来なかった。

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プロフィール
HN:
東吾
性別:
男性
職業:
インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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